数で見るIPv6!約340澗個ってつまり何個? | かぼちゃ君のパソコン小話

数で見るIPv6!約340澗個ってつまり何個?

数で見るIPv6!約340澗個ってつまり何個? 雑記

私が疑問に思ったシリーズです。

IPアドレスを勉強していくと、次世代のIPアドレス、IPv6にたどり着きます。
高速かつ安定、安全な通信ができる技術のため、大変興味深いです。
ただ、一つ気になる点がありました。

それは、IPv6は10^36個、つまり約340澗(かん)個のアドレスを持つ。
これを「ほぼ無限」と表現する記事が多かった点です。

私の疑問点は2つ
疑問1.約340澗の数のイメージがつかない
疑問2.約340澗をほぼ無限と表現するのが適切なのだろうか

数の数え方は、
”一,十,百,千,万,億,兆,京,垓,穣,溝,澗,正,載.極,恒河沙,阿僧祇,那由他,不可思議,無量大数”
となります。
人生で”京”以上の数を意識することはないんだろうなと思っていたら、3つくらい飛ばして来ました。
気になったので自分なりに噛み砕いて考えみました。

因みに、現実的に約340澗をなにもルールを設けずに使うことはないので、実際に使用される数とは異なります。
”澗”と言う桁を理解するための、数のお遊びとしてで読んで頂ければ幸いです。

なお、本記事では数に関係しない技術面のお話はしませんので、別のサイトにてご確認頂ければと思います。

IPv6の数は?

そもそも、IPV6の数はどれくらいなのでしょう。と言うところから説明します。

IPv6の表記は、
[2001:db8:1111:2222:3333:4444:5555:6666]
と書きます。
16桁の0と1を16進数に変換すると、[0000]~[ffff]の間で表示できます。
それを[:(コロン)]で区切り、8区画並べるそうです。
16進数とか馴染がなさすぎて理解するには難しいですね。

とりあえず16桁×8区画使うので、128桁あります。
つまり、IPV6の数は128桁の0と1を使うので2^128個です。

2進数のままでは分かりづらいですね。
10進数に直して計算すると、
340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456
になります。

読み方は、
340澗2823溝6692穣938𥝱4634垓6337京4607兆4317億6821万1456

つまり、約340澗(かん)
です。

ん~、膨大すぎてよくわからん!
四捨五入で2823溝を切り捨ててるし…。

改めて考えると、こんなに用意する必要があるのかなぁと気になるところではありますが、頭の良い人が考えたことなのですから、受け入れなければなりません。

次に行きます。

IPV6の数を例えると?

ようやく本題です。

IPV6の数は約340澗個あります。
あまりに膨大な数ですが、これを「ほぼ無限」と表現するには疑問が残ります。

具体的には、
疑問1.約340澗の数のイメージがつかない
疑問2.約340澗をほぼ無限と表現するのが適切なのだろうか

これらの回答が得られるように考えていきたいと思います。

アプローチ1.距離で考える

まず、1澗という数字を距離で考えたいと思います。
1澗=10^36 
1兆=10^12 なので、

1澗は 1兆×1兆×1兆 とも表記できます。

1万円札は0.1mmの厚みがあるそうです。
つまり、
10万円を縦に積むと、1mm
100万円を縦に積むと、1cm
1億円を縦に積むと、1m
1兆円を縦に積むと、1km
となります。

いい感じに理解し易そうですが
あと、1兆×1兆分足りませんね。
もっと単位を大きくしてみましょう。

1光年で例えてみましょう。
1光年は光が1年かかって到達する距離で、約9兆4600億kmです。
1万円札を1澗枚縦に積むと、約1057億光年です。

可視宇宙の直径は930億光年以上あると言われております。
単純計算で、1万円札を340澗枚縦に積むと可視宇宙の直径の340倍以上の距離になります。


お札だと「記番号」があるので、一つずつ区別するという観点から見ると理解しやすいのかと思ったのですが、数が膨大すぎました。
計算はできましたが、ピンとくる数値になりませんでした。
距離で考えると理解しにくいのかもしれません
別のアプローチで考えてみましょう。

アプローチ2.他の数値で例える

では、兆を超える数で身近にあるのはなんだろうと考えたとき、私達の体を思いつきました。
つまり、人間の細胞の個数です。
成人男性の全身の細胞は、およそ60兆個もあると言われています。

まだ足りないですね。
全世界の人口は2024年現在、約81億人と言われています。

これらを掛け算してみましょう。
つまり、全人類の細胞は、60×81×10^20個あることにもなります
数の名称をつけると4860垓です。

全然足りないので、あとは時間を使って計算したいと思います。
1秒間に1回、割り当てが切り替わるとしたら何秒かかるか、という計算をします。

340澗÷4860垓 = 約700兆秒 でした。

閏年や細かい数字を無視して、
・1年=365日
・1日=24時間
・1時間=60分
・1分=60秒
で計算すると、約22,202,229年です。

つまり、2220万年以上かかります。

んー、わかるような、わからないような結論になってしまいました。

まとめ

IPv6の数、約340澗の数を例えると、
世界人口約81億人細胞約60兆個全てに対して1秒間に1回割り当てを替える作業をしたと仮定したとき、約22,202,229年かかる。

つまり、秒間4860垓を使い続けても2220万年以上かかる。
ということが分かりました。

そもそもの疑問、
疑問1.約340澗の数のイメージがつかない
疑問2.約340澗をほぼ無限と表現するのが適切なのだろうか
というのは解決した気はします。

ですが、新たに
秒間4860垓を使い続ける未来なんて来るのだろうかという疑問と、
2220万年後もIPv6を使い続けているのだろうかという疑問が湧いたので
これ以上考えるのはやめました。

結論として、
とりあえず事実上、無制限に使えると言ってもいいのかなと思います。


以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
楽しんで頂ければこれ以上無い喜びです。

ではではノシ