パソコンの電源が落ちる原因の見つけ方 | かぼちゃ君のパソコン小話

パソコンの電源が落ちる原因の見つけ方

パソコンの電源が落ちる原因の見つけ方 雑記

突然“ブンッ…”という音とともにパソコン画面が真っ暗に…。
そして作業中のデータはすべてなくなった。

いわゆる「落ちる」と称される現象は突然発生するのでとても驚きますよね。
どう対処すればよいのでしょうか?

考えられる原因は様々です。
同じ時期に購入した、近い型番でも原因が異なることはよくあります。
原因を見つけるためには、仮説を立てて対処法を一つずつ確かめていく必要があります。

それでは、戦略を考えていきましょう!
(※デスクトップパソコンを中心に解説しています。)

なぜ落ちるのか?

そもそもなぜ「パソコンの電源は落ちる」のか。
言い方を変えると、使用中に電力の供給が突然止まる現象はなぜ起こるのか
仮説を立てて原因を探っていきましょう。

主な原因は2つ考えられます。

  1. 排熱ができていない
  2. 電力の供給が足りない

これら2つの原因を詳しく考えていきます。

原因1.排熱ができていない

パソコンには動かすと熱を発生させるパーツがいつくかあります。
正常に動作し続けるためにはパーツを冷やす必要があります。

熱を持ちすぎるとパフォーマンスが落ちたり、最悪の場合は壊れてしまいます。
破損を防ぐため、電源の供給を止めて強制的に冷却します。

つまり、
原因:パーツの発熱が想定以上に高くなったとき、安全装置が正常に働いた
結果:パソコンが落ちた
という流れです。

排熱ができない状況を例に挙げると、
例1.冷却ファンが回っていない
例2.パソコン内にホコリが溜まっている
例3.室温が高いため、冷却できていない
などがあります。
状況は様々考えられますが、目で見て判断できる事が大半です。
一つずつ対応していくことで解消できる可能性があります。

原因2.電力の供給が足りない

電力の供給が足りなくなる原因は、2通り考えられます。
ケーブルや電源装置の経年劣化などの供給できる量が減った場合と、
パーツの増設や交換などによる必要な量が増えた場合です。

つまり、
原因:電気の流れるルートのどこかの不調により電力の供給が足りなくなった
結果:パソコンが落ちた という流れです。

簡単に「電気の流れるルートのどこか」と書きましたが、意外と該当する場所は多いです。

電気の流れるルートは
1.コンセント
2.パソコン外配線(ケーブル、電源タップ等)
3.電源装置
4.パソコン内配線
5.各種パーツ(マザーボード、CPU等)
となります。

故障の具体例を挙げると、
・タコ足配線にして分配する量が足りなくなった
・電源タップが壊れた
・電源装置が壊れた
などがあります。

対処法

続いて対処法についてです。

考えることは3つ

  1. 現象の再確認
  2. 排熱の確認
  3. 電力の確認

です。

順番に考えていきましょう。

現象の再確認

主な原因は排熱と電力の不調にあります。
しかしながら、それと決めつけて判断するには注意が必要です。
それは、「パソコンの電源が落ちていない」場合があるためです。
もし画面が真っ暗になった原因がパソコンの電源ではなく、モニターの電源だった場合対応すべき内容がまるで違います

戦略を立てる大前提として確定している情報を洗い出す事が重要です。
今回の場合、「パソコンの電源が落ちた」という事実を確定させる必要があります。

再確認する項目は2つ

  1. 言葉の認識を再確認
  2. 現象を再確認

それぞれ考えていきましょう。

言葉の認識を再確認

まず、言葉の認識を再確認しましょう。
よくつまずくポイントとして、現象を別の言葉と混同する事があります。

一般的に「パソコンの電源が落ちた」というとすべての機能が強制的に停止することを差します。
パソコンからファンの回転する音が聞こえなくなり、画面は真っ暗になります。

もし、ブルースクリーン(真っ青な画面に白文字でエラーが表示される)の状態を「パソコンの電源が落ちた」と混同したとしましょう。どちらも動かなくなるという点では同じです。
しかしながら、ブルースクリーンの不具合はOSが起因となります。

原因の方向性が異なるため、解決は難航するでしょう。

回避するためには、おきた現象をそのまま言葉にしてGoogle検索をしてみましょう。
いくつか該当する名称を元に、深堀りしていくと知識が深まり認識を改めることができます。

現象を再確認

次に、現象を再確認しましょう。
直感的に判断した結果が正解とは限りません。
様々な原因を予測するために、起きている現象を一つずつ確認しましょう。

今回の場合、パソコンが完全に停止しているかを確認します。
簡単に確認する方法としては、

  • ファンの停止を確認(目で見て、音を聞いて)
  • 起動時に点灯しているランプを確認
  • 音楽を聞いていたのであれば、流れ続けていないか確認
  • タスクマネージャーを開き、画面の推移が無いか確認([Ctrl+Alt+Delete]を同時押し)

以上で反応がない場合は電源が落ちている可能性が高いです。

次に進みましょう。

排熱の確認

排熱ができているか、一つずつ確認します。

確認箇所は、

  • パソコン内の掃除
  • 冷却ファンの確認
  • 室温の確認

です。
それぞれ解説していきます。

パソコン内の掃除

一番最初に確認すべきことは、パソコンの中にホコリが詰まっていないか見ることです。

パソコン内を冷やすためには空気を入れて出す必要があります。
ホコリは空気の流れを遮り、熱をこもらせます。
熱が下がりきらなくなった結果として、落ちてしまいます。

さぁ、お掃除の時間ですよ。
お金がかからないかつ、一番効果が出やすい部分なので、めんどくさがらずに頑張りましょう。

方法1.乾いたタオルで拭き取る
主に乾いたタオルで拭き取る事をおすすめします。
安全のため、コンセントを抜いてから掃除を始めてください。
間違えて電源ボタンを押すと、ファンが回転して危ないですからね。

方法2.掃除機で吸い取る
基盤から離れた場所や、ホコリが多すぎる場合は、掃除機で吸い取ってください。
中のパーツを傷つけたり、ネジを吸い込まないように注意です。

方法3.濡れタオルで拭く
電化製品に水気は故障のもととなるので、推奨はできません。
ホコリがこびりついててどうしても!という場合のみ、濡れタオルで拭いてください。
以下の注意点を守って行いましょう。
・コンセントを抜く
・よく絞ったタオルを用いる
・基盤に触れないように注意して拭く(プラスチックの部分を重点的に)
・大部分がとれたら、細かいところは綿棒を用いる
・拭いたあとは乾拭きする
・完全に乾くまで待ってから電源を入れる
以上を守ってください。

意外とホコリはつくものです。
不具合がなくとも、定期的に掃除を行うと良いですね!

冷却ファンの確認

冷却ファンが回らないと、排熱ができません。

冷却ファンのコネクターが外れていないか確認してみましょう。
また、一度抜いてから差し直すことで改善されるかもしれません。
違う場所に刺さないように注意して行いましょう。

室温の確認

冷却ファンを用いてパソコン内と室内で熱を交換しています。
そのため、室温が高い夏場は冷却効率が低下します。

クーラーを付けて室温を下げましょう。

電力の確認

排熱の原因をすべて確認し、それでも改善しなかった場合は電力の不調を疑いましょう。

コンセントから流れてきた電気が不調を起こす場所は大きく分けて3箇所です。

  • パソコン外配線の交換
  • 電源装置の交換

それぞれ詳しく見てみましょう。

パソコン外配線の交換

はじめに考えるのは、コンセントとパソコンの間です。
ケーブル、電源タップなどが破損している場合があります。

意外と見落としがちですが、断線による電力の低下の可能性があります。
対策としては、電源タップの買い替えが基本です。
パソコンパーツと違いどこでも購入でき、さほど高額でもないのでハードルは低いと思ます。
また、改善できなかったとしても他の場所で使えるのも良い点です。

電源ユニットの交換

コンセントから供給される電力を変換して各パーツに配る装置です。
電源ユニット、または電源と呼ばれています。

実体験としてこれで改善したので、一考の余地はあると思います。
というか、本記事を書こうと思ったきっかけです。
私のものは4年程度使って壊れました。結構劣化するんですよね。

原因の追求は考えず、交換の検討をおすすめします。

原因の追求を考えるべきではない理由は
例えば、コンデンサーの膨張が原因とわかったとしても、2つの壁に直面するからです。
1.修理する技能を持ち合わせているのか
2.修理できたところで、小火を出さずに安全に稼働できるか
リスクが大きすぎて私はおすすめすることができません。

交換の方法としては、2つあります。
・購入店や専門業者にお願いする
・自分で交換する
です。

購入店や専門業者にお願いする

まずは、購入店に依頼しましょう。
保証期間内であれば嬉しいですね。

保証期間外でも手数料と送料、電源ユニット代合わせて3万~6万円程度でしょうか。
調べる時間や労力を考えると、購入店に依頼するのは賢い判断だと思います。

中古で買ったものだったり、購入場所がわからない場合はドスパラさんが有償引取修理サービスを行っているみたいなので依頼してみましょう。

以下、ドスパラさんの有償引取修理サービス問い合わせURL
https://cts.dospara.co.jp/support/contact/input.php?category_id=100_101&search_id=srv_top

自分で交換する

自作パソコンをしている方やパソコンにご興味がある方は、自分で交換するのもお勧めです。
パーツ代だけで済みますし、修理を経験することで理解度が上がりますからね。

選ぶポイントは3つ

  • 電源容量
  • 品質
  • 形状

です。
それぞれ解説しますが、ネット上では主義主張の偏った意見が散見されました。
それに習って私も偏った意見を主張したいと思います。
本ブログ以外でも広く情報を集めること推奨です。

電源容量

パソコン全体でどのくらいの電力を消費するかによって決めます。
消費する電力は一定ではありません。
重たい計算をさせた時に一瞬だけ、グッと上がります。
その瞬間の最高値に耐えれるだけの容量に加えて、余裕を持たせて選ぶ必要があります。
また、別の消費電力が大きいパーツに交換するとき余剰分があると電源ユニットを買い替えずに済みます。

こう考えると際限なく大きな容量が必要になってしまいます。

私がおすすめするのは、最低限の必要な電力容量を選ぶことです・
元々搭載されていた電力量の少し上のものを買うとよいでしょう。
具体的には50~100Wほど高いものが目安です。


詳細に計算したい場合は、”電源容量計算”でGoogle検索をしてください。
各種パーツの消費電力から推奨される電源ユニットを選ぶことができます。

品質

80 Plusの認証がついている電源ユニットを選びましょう。
性能によってランク付けがされています。

個人的な意見ですが、無理して高級なものを選ぶ必要はありません。
ブロンズ認証以上の製品であれば失敗は無いと思います。
そもそも変換効率が80%以上であれば何ら問題はありません。
最高級の製品を選んでも壊れるときには壊れるのです。

今回、自分で付け替える技術を身に着けたのであれば、壊れたときまたやり直せるのですから。

形状

電源ユニットには寸法を決めるサイズの規格がある。
代表的なのは、
・ATX電源(主流)
・SFX電源(細身のパソコンに使用)
です。
元々搭載していた規格を調べて

パソコン内の配線(ケーブル)が取れるものと取れないものがある。

代表的なのは、
・直付け
・着脱式(フルプラグイン)
・半着脱式(セミプラグイン)

個人的な感想としては、
パソコンケースが小さい場合や、パソコンの中をきれいにしたい人は着脱式を選ぶと良い。
価格を抑えたい人は、直付けタイプを選ぶと良い。
ぶっちゃけそんな変わらないです。
直付けは初心者向け、着脱式は中上級者向け程度の理解で良いかと思います。

まとめ

パソコンの落ちる原因の見つけ方まとめです。

検討内容は以下の手順です

  1. 現象の再確認
    • 言葉の認識を再確認
    • 現象を再確認
  2. 排熱の確認
    • パソコン内の掃除
    • 冷却ファンの確認
    • 室温の確認
  3. 電力の確認
    • パソコン外配線の交換
    • 電源ユニットの交換


以上で直らない場合は、パソコンの基盤やCPU等のパーツが破損している可能性があります。
交換よりも買い替えの方が金額面、時間面、知識面において軍配が上がると思います。

解決できることを祈っております。
それでは、良いパソコンライフを!ノシ